音楽の聞き方というのは、実は様々な行為があることに気づきました。
例えば、私は大学生の頃、音楽評論家の吉田秀和先生の本を読み漁っていました。
先生の本に出てくる、演奏家や曲を聞いてみる。
自分が好きなピアニストについて、先生がどんな意見なのかページをめくる。
知識も経験も無い自分にとって、吉田秀和先生の本は音楽の世界を旅する地図でありガイドであり、大きな憧れでありました。
何より、わかりやすくてユーモア溢れる先生の文章を読むのが楽しくてしかたがありませんでした。
自分の世界が押し広げられ、それまで理解ができなかった音楽の魅力に気づくことができました。
音楽を聞くとは、そこだけで完結することのない深い行為なのですね。