村上春樹の最新短編集『一人称単数』の中に『謝肉祭』という一編があります。
謝肉祭の文字を目にし、真っ先に読んでしまいました。笑。
シューマンのピアノ曲 ”謝肉祭” が登場。
主人公の女性がシューマンの謝肉祭を「無人島にたった一つ持って行く曲」に選びます。
その女性が語る謝肉祭という音楽についてが実に鋭いのです。
(ネタバレは控えます。)
シューマンはピアノの恩師の娘クララと恋愛関係になるのですが、その恩師でもあるクララの父親は結婚に大反対。
二人を別れさせるために様々な妨害を実行します。
しかし、シューマンとクララは父親の反対を乗り越えて結婚し、数々の名曲が生まれるのです。
私はある時から、クララの父親がどうして結婚に反対したのか、ぼんやりと理解するようになりました。
シューマンの音楽はあまりにロマンティックであり自分に正直すぎます。
シューマンが病んでしまう繊細で複雑な精神をクララの父親は敏感に察していたのではないのでしょうか。
私が初めに聞いたシューマンの謝肉祭はルービンシュタインの演奏でした。
まさにカーニバルといった鮮やかな演奏なのですが、なぜかお祭りからちょっと離れた裏通りのような暗さも感じます。
シューマンは人間の精神の深さをまざまざと感じることができる作曲家です。
