水戸室内管弦楽団 第109回定期演奏会
2022年5月19日(木)19時開演
水戸芸術劇場 コンサートホールATM
プログラム
【第1部】
ベートーヴェン/劇音楽〈エグモント〉作品84より 序曲
ブラームス/セレナード 第2番 イ長調 作品16
【第2部】
シューマン/ピアノ協奏曲イ短調 作品54
指揮 ラデク・バボラーク
ピアノ マルタ・アルゲリッチ
備え付けられた椅子以外にも可動式の椅子が置かれた会場は超満員でした。
「エグモント」序曲を神妙な気持ちで聞いてると、甘く柔らかい管楽器の音が流れてきました。
一瞬何の音か分からないくらい、ソフトな音だったのですが、それはクラリネットでした。
こんなに美しいクラリネットの音を耳にしたのは初めてです。
2曲目のブラームスのセレナードでは、クラリネットに目も耳も釘付けになってしまいました。
私は中学時代、吹奏楽部でクラリネットを吹いていたのですが、その難しさといったら・・・。
簡単な楽器などありませんが、それでもクラリネットの難易度はかなり高いと思います。
天上から降り注ぐような音色に涙が滲みました。
奏者は、リカルド・モラレスさんでした。
管楽器奏者のことを全然知らない不勉強な自分、これからモラレスさんに注目です。
休憩を挟んで、いよいよアルゲリッチさんの登場です。
何と、先頭でステージに現れ、「え?!もう?!」と思わず声に出してしまいました。
今宵のコンチェルトは指揮者がいません。
ピアノのすぐ横にコンサートマスターの方が座り、アルゲリッチさんとコンタクトを取ります。
迫力はもちろんですが繊細さが光ります。
クラリネットの奏でる第一主題と一緒に流れるピアノのアルペジオの美しさ。
極上の滑らかさ、ばらの豊潤な香りごとくの響、慈悲深く優しくて。
次元が違うとはこのことではないでしょうか。
どこまでも純粋な音楽。
ルービンシュタインやホロヴィッツの最晩年の動画から聞かれる精神の高みを感じました。
そして暖かい人間味、華やかな女性らしさにも胸が熱くなりました。
こんなに素晴らしいピアニストが私たちと同じ人間であることに感動を覚えます。