月別アーカイブ: 2022年6月

終わりたくない

今日、『不思議な音の国』下巻を終了した生徒さんがいました。

最後の曲は「ボートをこいで」です。

よく知られた外国民謡ですが、舟唄への入り口のような揺らぎのある曲です。

この曲を美しく弾き終え、そっと手を膝におろしたMちゃんがポツリ。

「終わりたくない・・・。」

Mちゃんの最大の能力は音楽を楽しむ力があることです。

Mちゃんのお母様は芸術一般をとても愛好されていて、小さい時からMちゃんをオーケストラやミュージカル鑑賞へ連れていっておられました。

その効果は素晴らしく、Mちゃんはピアノの曲だけでなくソルフェージュの曲も丸ごと楽しんでいます。

『不思議な音の国』を使ってのレッスンは、曲やストーリーやキャラクターについて、二人であれこれ感想や意見を言い合い、それはそれは楽しい時間でした。

「この王子、ほっぺ赤いね。」

「また、パーティーしてるよ。」

「ガオガオ、うるさいけど音が響き合うね。」

もちろん、楽しむだけでなくMちゃんは響のある音を手に入れ、表現するためのテクニックも身につけました。

『不思議な音の国』を探して旅をしていた旅人は、「ボートをこいで」川を下り、ついに『不思議な音の国』に辿り着くところでこの教材は終わります。

Mちゃんは一つの旅を終えました。

でも、ピアノと音楽の世界は広く、これから新しい旅がはじまるのです。

アライメント

イリーナ・ゴリン先生の教授法動画でたびたび出てくる「自然なアライメント」という言葉。

整列とか並び方という意味があります。

私は指がどちらかというと細く長く、弾いているときに持てあましてしまうことがあり、アライメントが不自然になってしまう欠点があります。

生徒さんの中に見本にしたくなるような手の女の子がいます。

『不思議な音の国』を終え、今はノンレガートの復習を兼ねて『はじめの一歩』の第一巻を使っています。

(他にも数冊曲集を使用しています。)

今度、発表会で「ぼくはバイオリンをひく」という曲を弾くのですが、レガート・ノンレガート・スタッカートを駆使しての聞き応えのある演奏です。

自然なアライメントからの腕全体を使った打鍵と、一音を聞く開いた耳があってこそできる表現です。

『不思議な音の国』を本格的に使い初めて三年目、その効果を感じています。

2022交響曲鑑賞⑧ハイドン交響曲第93番

今日はイギリスのエリザベス女王の”プラチナジュビリー”だそうです。

全く偶然ですが、今日のおやつはスコーン。

何となく選んだBGMはハイドンがロンドン滞在中に作曲した交響曲第93番

素晴らしく優雅な気分です♪

・・・と、周りを見回すとそこは生活感たっぷりの我が家なのですが。笑。

ハイドンは106曲もの交響曲を作曲したのです。

古典様式の交響曲はハイドンによって完成されたと言っていいのではないでしょうか。

第93〜104番はロンドン滞在中に書かれたものだそうです。

オーストリアの貴族エステルハージ家に仕えたハイドンは、数々の名曲を作曲し続けるのですが、その身分は従僕と変わらないものでした。

市民階級が力を得ていくのは、ハイドン晩年になってからです。

もしも、私がハイドンの時代(18世紀)の人間だったとしたら、このような交響曲を耳にすることも、紅茶を飲むことも叶わなかったでしょう。

力強く壮麗なハイドンの交響曲を聞きながら、歴史の一片を感じることができました。