2023年2月10日(金)19時開演
サントリーホール
プログラム
チャイコフスキー
子どものためのアルバムop.39
シューマン
幻想曲 ハ長調 op.17
モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475
ラヴェル
夜のガスパール
スクリャービン
ピアノソナタ第5番 op.53
この日は雪から雨に変わり、気温は最高でも2度程度。
初めて聞くダニール・トリフォノフさんのリサイタル、絶対に行きたい!
長靴(リサイタルなのに申し訳ありません!)を履いて行ってきました。
トリフォノフさんを知ったのは、2010年のショパンコンクール。
配信されたコンクールを、パソコンにかじりつくようにして夜な夜な視聴しました。
アヴデーエワ、ゲニューシャス、ホジャイノフ、そしてトリフォノフ。
ロシア出身の若者たちの演奏に目を見張りました。
トリフォノフさんは第3位。
そして、翌年のチャイコフスキーコンクールでは優勝。
私の中の音楽観が激変するほどの衝撃でした。
それまでの私の理想のピアニストは、ポリーニ、ミケランジェリ、バックハウスなど、知的で完璧なピアニズムを持っている方たちでした。
トリフォノフさんは、その対極にあるようなピアニズム。
甘く優しい響きが天使的であり同時に悪魔的でもあり、大変ロマンティックに感じました。
2020年の秋、トリフォノフさんのリサイタルのチケットを購入していたのですが、コロナ禍で来日自体が叶わず、リサイタルは中止に。涙。
そして、今回初めてリサイタルに行くことができました。
サラサラの髪をなびかせながら足早に現れたトリフォノフさん、お写真で見るよりもずっとお若いです。
あ、まだ31歳。
私から見れば十分お若いですね。
フェザータッチと呼ばれる鍵盤を撫でるような打鍵から紡ぎ出される音たち。
繊細で水彩画のように爽やかな色彩感に満ち溢れています。
鍵盤に触ってないんじゃないの?と思われるくらいさっと弾くフォルテッシモが鮮やかです。
技巧的な夜のガスパールやスクリャービンでは、鍵盤のコントロールが更に冴え渡ります。
トリフォノフさんのピアニズムをロマンティックと書きましたが、技術の高さでも比類がないように思われます。
トリフォノフさんの演奏を聞いて、なぜか頭に浮かんだのが『旅』のイメージです。
長距離列車の窓から見る流れる景色や、港を後にする旅客船、異国の国際線の飛行場・・・
これからトリフォノフさんの音楽が、どんなところに辿り着くのでしょうか。