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オーバーホール

のぐちピアノ教室のピアノは20歳を迎えました。

私たちの演奏で、音を出してくれる大切な楽器です。

この夏、オーバーホールを行いました。

調律師さん2名の方が、近くのホテルに一週間滞在しながらの、作業でした。

朝9時には教室に来てくださって、夕方6時までずっとひと部屋にこもっての修繕作業です。

どれだけ心身ともにお疲れだったことでしょう。

でも、作業の様子が見たくて時々覗きに行くおじゃま虫の私にも、いつでも優しい笑顔で説明をしてくれました。

それにしても、作業の細かさ複雑さには驚きです!

古い接着剤を丁寧に剥がしたり、小さなフェルトをミリ単位で裁断したり、金具をミクロ単位!で調整したり。

弦を外したり張ったりは力のいる仕事です。

・・・ピアノの内側もきれいにして頂きました。クリップやシールや鉛筆や付箋が出てくる出てくる。汗・・・

仕上がりの音に関しては、事前にメールでご相談していましたが、基本的には調律師さんにお任せです。

もう、30年以上調律をお願いしている信頼感がありますので、不安は全くありません。

最終日、最初の音を出したときの新しい音。

生まれたばかりの音の響きです。

今までどちらかと言うと優等生な音のピアノだったのですが、今度はややじゃじゃ馬な感じがします。笑。

今後一年間の間に、6回ほど調整が続きます。

どんな音に育っていくのか。

とても楽しみです。

2022交響曲鑑賞⑨シューベルト交響曲第7番

シューベルトの交響曲第7番ロ短調D759は「未完成」と呼ばれています。

その名の通り、シューベルトはこの交響曲を2楽章までしか、作曲しませんでした。

ある日、流しっぱなしていたYou tubeから、未完成の有名な冒頭が流れていました。

その音楽が、ただ暗いだけなく、迫力はあるのですが清々しく清潔で、すぐに音楽の世界に引き込まれました。

演奏はカルロス・クライバー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。

学生の頃、私はクライバーのことを「カルロス」と言う名前というだけで、スペイン系のラテンアメリカの人とばかり思い込んでいました。

カルロス・クライバーはベルリン生まれですがアルゼンチンに家族に連れられ移住、後にはオーストリアの国籍を取得しています。

私が知っていることはこれくらいで、今までクライバーの演奏を聞くのは、勉強のためと見ていたオペラだけ。

今回、未完成交響曲を聞いてみて、すごく自然で誇張されていない美しい音楽だな、と静かな感動が心に広がりました。

でも、何回か繰り返し聞いているうちに、どの楽器もとても繊細にコントロールされた演奏であることがわかってきました。

何回聞いても飽きない、何回も聞きたくなる演奏でした。

終わりたくない

今日、『不思議な音の国』下巻を終了した生徒さんがいました。

最後の曲は「ボートをこいで」です。

よく知られた外国民謡ですが、舟唄への入り口のような揺らぎのある曲です。

この曲を美しく弾き終え、そっと手を膝におろしたMちゃんがポツリ。

「終わりたくない・・・。」

Mちゃんの最大の能力は音楽を楽しむ力があることです。

Mちゃんのお母様は芸術一般をとても愛好されていて、小さい時からMちゃんをオーケストラやミュージカル鑑賞へ連れていっておられました。

その効果は素晴らしく、Mちゃんはピアノの曲だけでなくソルフェージュの曲も丸ごと楽しんでいます。

『不思議な音の国』を使ってのレッスンは、曲やストーリーやキャラクターについて、二人であれこれ感想や意見を言い合い、それはそれは楽しい時間でした。

「この王子、ほっぺ赤いね。」

「また、パーティーしてるよ。」

「ガオガオ、うるさいけど音が響き合うね。」

もちろん、楽しむだけでなくMちゃんは響のある音を手に入れ、表現するためのテクニックも身につけました。

『不思議な音の国』を探して旅をしていた旅人は、「ボートをこいで」川を下り、ついに『不思議な音の国』に辿り着くところでこの教材は終わります。

Mちゃんは一つの旅を終えました。

でも、ピアノと音楽の世界は広く、これから新しい旅がはじまるのです。

アライメント

イリーナ・ゴリン先生の教授法動画でたびたび出てくる「自然なアライメント」という言葉。

整列とか並び方という意味があります。

私は指がどちらかというと細く長く、弾いているときに持てあましてしまうことがあり、アライメントが不自然になってしまう欠点があります。

生徒さんの中に見本にしたくなるような手の女の子がいます。

『不思議な音の国』を終え、今はノンレガートの復習を兼ねて『はじめの一歩』の第一巻を使っています。

(他にも数冊曲集を使用しています。)

今度、発表会で「ぼくはバイオリンをひく」という曲を弾くのですが、レガート・ノンレガート・スタッカートを駆使しての聞き応えのある演奏です。

自然なアライメントからの腕全体を使った打鍵と、一音を聞く開いた耳があってこそできる表現です。

『不思議な音の国』を本格的に使い初めて三年目、その効果を感じています。

2022交響曲鑑賞⑧ハイドン交響曲第93番

今日はイギリスのエリザベス女王の”プラチナジュビリー”だそうです。

全く偶然ですが、今日のおやつはスコーン。

何となく選んだBGMはハイドンがロンドン滞在中に作曲した交響曲第93番

素晴らしく優雅な気分です♪

・・・と、周りを見回すとそこは生活感たっぷりの我が家なのですが。笑。

ハイドンは106曲もの交響曲を作曲したのです。

古典様式の交響曲はハイドンによって完成されたと言っていいのではないでしょうか。

第93〜104番はロンドン滞在中に書かれたものだそうです。

オーストリアの貴族エステルハージ家に仕えたハイドンは、数々の名曲を作曲し続けるのですが、その身分は従僕と変わらないものでした。

市民階級が力を得ていくのは、ハイドン晩年になってからです。

もしも、私がハイドンの時代(18世紀)の人間だったとしたら、このような交響曲を耳にすることも、紅茶を飲むことも叶わなかったでしょう。

力強く壮麗なハイドンの交響曲を聞きながら、歴史の一片を感じることができました。

イリーナ・ゴリン教授法コース 第15回

イリーナ・ゴリン先生の『不思議な音の国』教授法コース第15回を視聴しました。

下巻の第6章〜第9章までの教え方が詳しく説明されています。

『不思議な音の国』の下巻では、シャープやフラットがふんだんに出てきます。

全て臨時記号として書かれているのですが、実際の調性はかなり種類が多くなります。

「バンブルビー」のような本当に簡単な曲で構わないので、移調して弾く経験はとても重要だと感じます。

もしもシャープやフラットを落としてしまったら、「あれ?」と感覚的に違和感を抱くことができると思うのです。

今回の動画も、イリーナ先生の生徒さんのさまざまな演奏を見ることができ、大変参考になりました。

新しい楽譜

Ama○onで注文していた楽譜が届きました。

DIE RUSSISCHE KLAVIERSCHULE

です。

ドイツの出版社の楽譜で、中の文章は全部ドイツ語でした。汗。

確か英語版もあったと思うのですが、注文の時に確認せず。

あと、出品情報も見なかったので、後からドイツから発送されることが判明。

注文から届くまで一ヶ月近くかかりました。

「送料無料」しか見ていなかった自分に呆れますが、ともあれ、無事に3冊入手できて良かったです。

まだざっとしか見ていないのですが、知らない作曲家の曲がありそうですので、弾いてみるのが楽しみです。

(ドイツ語表記なだけで、既知の作曲家かもしれませんが・・・)

RUSSISCHE(ロシア)とありますが、ツェルニーの練習曲も豊富にあり、どんな流れで取り入れられているのかも興味深いです。

ブログを書きつつ中をパラパラ見ているのですが、ト音記号とか4分音符とか基本的な用語をドイツ語知ることができるのも良いですね。

ブラシノキ

この赤い花。

ブラシノキです。

ブラシノキはオーストラリア原産の木。

満開です。

フサフサとしたお花が本当にブラシのようです。

何よりこの鮮やかな赤い色。

初めてブラシノキを見た時には、「何これ?お花なの?」と、とても不思議な印象を受けました。

日本の一般的な景色の中では目立ち過ぎるのかもしれません。

でも、何だか元気が出るお花です。

イリーナ・ゴリン教授法コース 第14回

イリーナ・ゴリン先生の『不思議な音の国』教授法コース第14回を視聴しました。

「2音のスラーの復習」

「3〜4音のスラー」

第1回から貴重なお話ばかりでしたが、今回は私にとっては特別な内容の ” 神回 ” でした。

歌を歌うごとくのレガート。

これはロシアンメソッドならでは。

他の教本では学ぶことは難しい奏法です。

イリーナ先生のデモンストレーションは、私が初めて目にする手と腕の動きでした。

こんなレガートの弾き方を入門期から学べることは、本当に素晴らしいことです。

まずは、自分のスラーの弾き方を見直しです!

下巻を極上のレガートで弾けるように、自分自身で特訓開始です。

水戸室内管弦楽団 第109回定期演奏会

水戸室内管弦楽団 第109回定期演奏会

2022年5月19日(木)19時開演

水戸芸術劇場 コンサートホールATM

プログラム

【第1部】 

ベートーヴェン/劇音楽〈エグモント〉作品84より 序曲 

ブラームス/セレナード 第2番 イ長調 作品16

【第2部】

シューマン/ピアノ協奏曲イ短調 作品54

指揮 ラデク・バボラーク

ピアノ マルタ・アルゲリッチ

備え付けられた椅子以外にも可動式の椅子が置かれた会場は超満員でした。

「エグモント」序曲を神妙な気持ちで聞いてると、甘く柔らかい管楽器の音が流れてきました。

一瞬何の音か分からないくらい、ソフトな音だったのですが、それはクラリネットでした。

こんなに美しいクラリネットの音を耳にしたのは初めてです。

2曲目のブラームスのセレナードでは、クラリネットに目も耳も釘付けになってしまいました。

私は中学時代、吹奏楽部でクラリネットを吹いていたのですが、その難しさといったら・・・。

簡単な楽器などありませんが、それでもクラリネットの難易度はかなり高いと思います。

天上から降り注ぐような音色に涙が滲みました。

奏者は、リカルド・モラレスさんでした。

管楽器奏者のことを全然知らない不勉強な自分、これからモラレスさんに注目です。

休憩を挟んで、いよいよアルゲリッチさんの登場です。

何と、先頭でステージに現れ、「え?!もう?!」と思わず声に出してしまいました。

今宵のコンチェルトは指揮者がいません。

ピアノのすぐ横にコンサートマスターの方が座り、アルゲリッチさんとコンタクトを取ります。

迫力はもちろんですが繊細さが光ります。

クラリネットの奏でる第一主題と一緒に流れるピアノのアルペジオの美しさ。

極上の滑らかさ、ばらの豊潤な香りごとくの響、慈悲深く優しくて。

次元が違うとはこのことではないでしょうか。

どこまでも純粋な音楽。

ルービンシュタインやホロヴィッツの最晩年の動画から聞かれる精神の高みを感じました。

そして暖かい人間味、華やかな女性らしさにも胸が熱くなりました。

こんなに素晴らしいピアニストが私たちと同じ人間であることに感動を覚えます。