カテゴリー別アーカイブ: 演奏会

初コンサート

今年初のコンサート鑑賞は、ピアニスト『ふみ』さんでした。

恥ずかしながら、私はふみさんのことを全く知りませんでした。

ふみさんは1997年生まれの北海道在住のピアニスト・YouTuberで、ポップスをアレンジして演奏されています。

今回は誘われてのコンサート鑑賞で、事前にYouTubeで演奏を試聴してみました。

検索してみると、

【年越し】今年も煩悩の数だけ(108曲)だけピアノ弾きます

という動画がありました。

へ?

108曲!?

7時間?

これはすごいピアニストさんだと直感で感じ、とても楽しみにしていました。

ポップスピアノのコンサートはもしかしたら初めてだったかもしれません。

おなじみのノバホールですが、和服の方、光沢のあるスカートの方、ふわふわのコートの方、何だか華やかです。

曲目はポップスに疎い私でも耳にしたことがある、日本人に愛されている曲ばかりです。

一曲目のアレキサンドロスやX JAPANの曲や千本桜、伴奏はトレモロの連続で、もしかしたらクラシックよりもテクニックが必要かも?なんて思うアレンジもありました。

歌のメロディーを奏でる音はとても優しく、耳をすませて聞いてしまいました。

そして、何より推進力のあるリズムとテンポ。

クラシックとは全く違いますが、演奏という点で大変勉強になりました。

明るい気持ちでホールを出ようとすると、何とふみさんご自身が立たれていて、ひとりひとりを見送ってくれていました。

新春、とても新鮮な経験ができました。

ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル2023

2023年2月10日(金)19時開演

サントリーホール

プログラム

チャイコフスキー

子どものためのアルバムop.39

シューマン

幻想曲 ハ長調 op.17

モーツァルト

幻想曲 ハ短調 K.475

ラヴェル

夜のガスパール

スクリャービン

ピアノソナタ第5番 op.53

この日は雪から雨に変わり、気温は最高でも2度程度。

初めて聞くダニール・トリフォノフさんのリサイタル、絶対に行きたい!

長靴(リサイタルなのに申し訳ありません!)を履いて行ってきました。

トリフォノフさんを知ったのは、2010年のショパンコンクール。

配信されたコンクールを、パソコンにかじりつくようにして夜な夜な視聴しました。

アヴデーエワ、ゲニューシャス、ホジャイノフ、そしてトリフォノフ。

ロシア出身の若者たちの演奏に目を見張りました。

トリフォノフさんは第3位。

そして、翌年のチャイコフスキーコンクールでは優勝。

私の中の音楽観が激変するほどの衝撃でした。

それまでの私の理想のピアニストは、ポリーニ、ミケランジェリ、バックハウスなど、知的で完璧なピアニズムを持っている方たちでした。

トリフォノフさんは、その対極にあるようなピアニズム。

甘く優しい響きが天使的であり同時に悪魔的でもあり、大変ロマンティックに感じました。

2020年の秋、トリフォノフさんのリサイタルのチケットを購入していたのですが、コロナ禍で来日自体が叶わず、リサイタルは中止に。涙。

そして、今回初めてリサイタルに行くことができました。

サラサラの髪をなびかせながら足早に現れたトリフォノフさん、お写真で見るよりもずっとお若いです。

あ、まだ31歳。

私から見れば十分お若いですね。

フェザータッチと呼ばれる鍵盤を撫でるような打鍵から紡ぎ出される音たち。

繊細で水彩画のように爽やかな色彩感に満ち溢れています。

鍵盤に触ってないんじゃないの?と思われるくらいさっと弾くフォルテッシモが鮮やかです。

技巧的な夜のガスパールやスクリャービンでは、鍵盤のコントロールが更に冴え渡ります。

トリフォノフさんのピアニズムをロマンティックと書きましたが、技術の高さでも比類がないように思われます。

トリフォノフさんの演奏を聞いて、なぜか頭に浮かんだのが『旅』のイメージです。

長距離列車の窓から見る流れる景色や、港を後にする旅客船、異国の国際線の飛行場・・・

これからトリフォノフさんの音楽が、どんなところに辿り着くのでしょうか。

パワースポット

神社、お寺、山、湖、遺跡・・・。

パワースポットと呼ばれる場所はいろいろ。

でも、音楽に携わる人間にとっての最強パワースポットとは?

答えは。

ずばり!

コンサートホール!

だと私は勝手に思っています。

そして日本中にあるコンサートホールの中でも、サントリーホールは特別な存在です。

サントリーホールホームページよりお借りしました

クラシック専用のコンサートホールとして開館したサントリーホールは、私の憧れが詰まっています。

アークヒルズという立地も都会的で素敵です。

そのサントリーホールを久しぶりに訪れました。

水戸室内管弦楽団 第109回定期演奏会

水戸室内管弦楽団 第109回定期演奏会

2022年5月19日(木)19時開演

水戸芸術劇場 コンサートホールATM

プログラム

【第1部】 

ベートーヴェン/劇音楽〈エグモント〉作品84より 序曲 

ブラームス/セレナード 第2番 イ長調 作品16

【第2部】

シューマン/ピアノ協奏曲イ短調 作品54

指揮 ラデク・バボラーク

ピアノ マルタ・アルゲリッチ

備え付けられた椅子以外にも可動式の椅子が置かれた会場は超満員でした。

「エグモント」序曲を神妙な気持ちで聞いてると、甘く柔らかい管楽器の音が流れてきました。

一瞬何の音か分からないくらい、ソフトな音だったのですが、それはクラリネットでした。

こんなに美しいクラリネットの音を耳にしたのは初めてです。

2曲目のブラームスのセレナードでは、クラリネットに目も耳も釘付けになってしまいました。

私は中学時代、吹奏楽部でクラリネットを吹いていたのですが、その難しさといったら・・・。

簡単な楽器などありませんが、それでもクラリネットの難易度はかなり高いと思います。

天上から降り注ぐような音色に涙が滲みました。

奏者は、リカルド・モラレスさんでした。

管楽器奏者のことを全然知らない不勉強な自分、これからモラレスさんに注目です。

休憩を挟んで、いよいよアルゲリッチさんの登場です。

何と、先頭でステージに現れ、「え?!もう?!」と思わず声に出してしまいました。

今宵のコンチェルトは指揮者がいません。

ピアノのすぐ横にコンサートマスターの方が座り、アルゲリッチさんとコンタクトを取ります。

迫力はもちろんですが繊細さが光ります。

クラリネットの奏でる第一主題と一緒に流れるピアノのアルペジオの美しさ。

極上の滑らかさ、ばらの豊潤な香りごとくの響、慈悲深く優しくて。

次元が違うとはこのことではないでしょうか。

どこまでも純粋な音楽。

ルービンシュタインやホロヴィッツの最晩年の動画から聞かれる精神の高みを感じました。

そして暖かい人間味、華やかな女性らしさにも胸が熱くなりました。

こんなに素晴らしいピアニストが私たちと同じ人間であることに感動を覚えます。

女神降臨

令和4年(2022年)5月18・19日、水戸。

女神が降臨しました。

©︎ Adriano Heitman

(画像はKAJIMOTOさんからお借りしました)

そう、ピアニストのマルタ・アルゲリッチさんです。

”音楽の女神・ミューズ”

”鍵盤の女王”

アルゲリッチさんに与えらた称号がピアニストとしての位置を端的に表してくれています。

水戸芸術館に来るのは久しぶりです。

ここの設計はノバホールがあるつくばセンターと同じ、磯崎新さんです。

石造、ピラミッド、共通点があります。

パイプオルガンがあったり、ちょっとゴシック教会のようですね。

尊敬する吉田秀和先生が初代館長をつとめられました。

現在は指揮者の小澤征爾さんが館長です。

幸運にもチケットを手に入れることができ、5月19日の公演に行ってきました。

ああ、茨城県民でよかった。涙。

つづく。

東京・春・音楽祭2022 セルゲイ・ババヤン②

東京・春・音楽祭は上野を中心にした会場で開催される音楽祭です。

その中のセルゲイ・ババヤンさんのピアノリサイタルに行ってきました。

2022年3月29日(火)19時開演

東京文化会館小ホール

プログラム

J.S.バッハ(ブゾーニ編)

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004よりシャコンヌ

シューベルト(リスト編)

『美しき水車小屋の娘』S.565より

第2曲水車小屋と小川

『12の歌』S.558より

第8曲糸を紡ぐグレートヒェン

第2曲水に寄せて歌う

ラフマニノフ

練習曲『音の絵』op.39より

第5番変ホ短調

第1番ハ短調

『楽興の時』op.16より

第2番変ホ短調

第6番ハ長調

リスト

バラード第2番ロ短調S.171

シューマン

クライスレリアーナop.16

久しぶりの上野駅。

公園口を出ると・・・

道路が無い。

広場になっていて、横断歩道を渡らずに東京文化会館に行くことができました。

静かな会場の席に、静かに腰をかけ、静かに開演を待ちました。

演奏者によって、観客席の雰囲気は全く異なります。

この日はピアニストと思われる若い男の方が多く、とても落ち着いた客席になりました。

一曲目のバッハ・シャコンヌ。

ババヤンさんの音、温かみを感じます。

思慮深く、自然です。

バッハですから、対位法のメロディーがいくつも聞こえてくるのは当たり前なのですが、和音の一音一音が聞こえてくることに驚きました。

美しい音楽に身を委ねていると、いつのまにか目から涙が・・・。

シューベルト。

とても細かい音型の伴奏ですが、ここでも一つ一つの音が語りかけていて、歌に寄り添い、時に本音のようにつぶやきます。

シューベルト、本当に素晴らしい音楽ですね。

ラフマニノフの音の絵と楽興の時の迫力は大変なものでした。

迫真の演奏・・・祖国を後にしたラフマニノフの心情を思うような・・・なのですが、聴衆を凌駕するようなものでは無く、私たちにラフマニノフの音楽を見せてくれました。

リスト、バラード2番。

どうやったら、あんなに深みのある低音を鳴らせるのでしょう。

そして、あんなに繊細な弱音で歌うことができるのでしょう。

またしても目から涙が・・・。

シューマン、クライスレリアーナ。

さらにロマンチックな、だけれど大変自然で繊細、大柄なババヤンさんですが可憐な野の花のように儚く美しくです。

涙も止まり、自分でも驚くくらい音楽に集中していました。

そして、アンコールはバッハのゴルドベルク変奏曲のテーマ(アリア)でした。

トリルやモルデントも含めて、全ての音という音が意味を持っています。

その音が紡ぐ音楽に、私はピアニストの魂の傷をぼんやりと感じました。

平和な現代の日本に暮らす私には決して理解することができない、遠い国の紛争。

でも、戦争の被害者は私だったかもしれないのです。

カーテンコールでのババヤンさんの紳士的なお辞儀と胸を手に当てての笑顔に、こちらからお礼を言いたいと思いました。

それにしても、自分の演奏がどれだけ雑なんだろうと猛反省。

いつでも音を出す時には心を込めて歌うようにしよう。

東京・春・音楽祭2022 セルゲイ・ババヤン

東京・春・音楽祭は上野を中心にした会場で開催される音楽祭です。

その中のセルゲイ・ババヤンさんのピアノリサイタルに行ってきました。

2022年3月29日(火)19時開演

東京文化会館小ホール

プログラム

J.S.バッハ(ブゾーニ編)

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004よりシャコンヌ

シューベルト(リスト編)

『美しき水車小屋の娘』S.565より

第2曲水車小屋と小川

『12の歌』S.558より

第8曲糸を紡ぐグレートヒェン

第2曲水に寄せて歌う

ラフマニノフ

練習曲『音の絵』op.39より

第5番変ホ短調

第1番ハ短調

『楽興の時』op.16より

第2番変ホ短調

第6番ハ長調

リスト

バラード第2番ロ短調S.171

シューマン

クライスレリアーナop.16

セルゲイ・ババヤンさんはアルメニア出身のピアニストです。

一度聞いたら忘れられないお名前は、第一回浜松国際ピアノコンクールの優勝者として記憶していました。

今レッスンを受けている先生から情報を頂いて、ストリーミング配信で視聴するつもりでいました。

それが、ババヤンさんの希望で配信は中止になってしまいましたので、急遽チケットを購入。

・・・当初はペルトとリャボフといった旧ソ連の作曲家の作品もあったのですが、悲しい世界情勢の影響のため精神的に落ち着かないとの理由で、プログラムは変更、会場にカメラを入れないとのことになったようです。

本当に来日されるのかしら?と心配で、毎日のように所属事務所や音楽祭の○witterを覗いてしまいました。汗。

来日しました!のニュースを目にした時は、とても嬉しかったです。

つづく

カルミナ・ブラーナ

劇場完全版 「熊川哲也 カルミナ・ブラーナ 2021」を映画館で鑑賞してきました。

カルミナ・ブラーナはドイツの作曲家カール・オルフが作曲した舞台形式のカンタータです。

オーケストラ、合唱、独唱、バレエと大規模な舞台です。

今回見た作品は、『熊川哲也』とあるように、振り付けは熊川哲也さんによるものです。

主役のアドルフを演じるのは関野海斗さんという若手ダンサーです。

関野さんは茨城県のご出身。

応援の意味も兼ねて映画館に行ってきました。

冒頭から魅了されました。

関野さんのキレのあるターン。

柔軟性を存分に生かした美しいポーズの数々。

躍動感溢れる大きなジャンプ。

するどい目線が光る表情。

まばたきを忘れるほど、スクリーンに釘付けになってしまいました。

ああ、早く本当のステージが見たいものです。

映画館のHPからお借りしました

藤田真央ピアノリサイタル【追加公演】LIVE配信

藤田真央さんのピアノリサイタルの追加公演LIVE配信を視聴しました。

・・・・・・

2020年9月19日(土)14時開演

東京オペラシティ コンサートホール

プログラム

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第7番 ハ長調 K.309

チャイコフスキー:ロマンス ヘ短調 Op. 5

チャイコフスキー:ドゥムカ -ロシアの農村風景- ハ短調 Op. 59

アルカン:「短調による12の練習曲」から“イソップの饗宴” ホ短調 Op. 39-12

ショパン: 幻想曲 へ短調 Op. 49

ショパン:ポロネーズ第7番「幻想」変イ長調 Op. 61

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ ト長調

ラヴェル:ラ・ヴァルス 二長調

・・・・・・

17日の配信を聞いて、19日分の視聴券を速攻で購入しました。

一曲目のモーツァルト。

ん?

ちょっとこもった音に聞こえます。

急に気温が下がったので、ピアノの調子も変化しているでしょう。

でも、そのうち全く気にならなくなりました。

今日も繊細で明るい美音、特に終楽章は心地良い躍動感でした。

チャイコフスキーのロマンスとドゥムカ。

2日前の演奏より、より哀愁が感じられます。

輝かしい音なのに寂しく悲しげな叙情性が際立っています。

アルカンのイソップの饗宴も最高のテクニックが冴えています。

後半のショパンの幻想曲と幻想ポロネーズ。

2日前の演奏は明るい光に満ちていました。

それが、この日は全く違います。

孤独、孤高でしょうか。

藤田さんは一つの高みに達したように見えました。

ここまで美しい世界に行き着くことができる人間は本当に少ないと思います。

だから、こんなにも素晴らしい音楽を奏でているのに、藤田さんがとても寂しげに見えるのだと思います。

藤田さんの優しい音は一つの恩寵であり癒しです。

ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ。

がらりと情景が変わりました。

どこかの王宮の一室にいるような上品な音楽です。

ラヴェルのラ・ヴァルス。

最高難度のこのピアノ曲、歴史に残る名演です。

どこまでも鮮やかで多彩な音たち。

軽やかに踊るワルツのリズム。

漆黒の闇の中でろうそくの炎がゆらゆらと揺らぐような妖しさです。

藤田さんのピアニズムは、華やかだけれど派手すぎない上品で明るい美音、柔らかい叙情性、繊細、自由、自然、純粋、無垢、清潔感という言葉がぴったりでしょうか。

何より新鮮な若々しさは最大の魅力です。

そして今回の配信を聞いて、自由自在な演奏は深く作品を理解しているからこそできるもの、ということもわかりました。

曲の構成感や和声感がとてもはっきりとしていたからです。

本当は知的な演奏なのに、そうとは気づかせない。

大変な才能です。

次回は絶対にホールで聞く!

と心に誓いました。

今回は、本当にどうでもいいつぶやきです。

藤田さんの最近ステージで着ていらっしゃるシャツが気になって仕方がないのです。

とてもおしゃれなんです。

あつらえていらっしゃるのでしょうか?

それとも、ヨージ〇〇モト?

ものすごくアーティストっぽくて、いい感じです。