カテゴリー別アーカイブ: 音楽

ベルガマスク組曲

今日もやってしまいました。

アイロンがけ。

今、ドビュッシーのベルガマスク組曲を練習しています。

ベルガマスク組曲は、

1、プレリュード

2、メヌエット

3、月の光

4、パスピエ

の4曲で構成されています。

私はこの組曲に、古典的・フランス的なものへの憧憬や尊敬を通してドビュッシーが作った新しさを感じます。

メヌエットを仕上げるのが年内の目標なのですが・・・。

メヌエットはフランスの宮廷舞曲。

ベルガマスク組曲のメヌエットをクラヴサン(チェンバロ・ハープシコードのフランス名)のように軽やかに、

でもベルベットの宮廷装束を身に纏って上品なステップを踏みながらもどこか重々しい感じ、

フランス式のファゴットの豊かな響き、

輝かしいトランペットのファンファーレ、

ロマン派の残り香のようなロマンチックな甘いメロディー、

たくさんのイメージが頭に浮かぶのですが、なかなかイメージ通りに弾くことはできません。

今日も朝から家事に励み早目に済ませてピアノに向かったのですが、練習に煮詰まり、アイロンに手が伸びました。

そんな日曜日、今日は寝巻きにまでアイロンをかけてしまいましたので、気持ちよく眠ることはできるでしょう。苦笑。

さすらい人

ある生徒さんが、ランゲの「小さなさすらい人」を練習しています。

「さすらい人」

不思議な言葉ですよね。

自分が子どもの頃、この曲名を見た時には「ピノキオの冒険」や「母をたずねて三千里」を思い浮かべたものです。

さすらう(流離う)

広辞苑によると、

身を寄せる所がなくてさまよう。

さまよいあるく。

流浪する。

源氏物語須磨「はかなき世を別れなば、いかなる様に―・へ給はむ」。

源平盛衰記7「習はぬ旅に―・ひつつ」。

「荒野を―・う」

このような意味があります。

孤独な存在である人間の本質を表す言葉の一つのように感じます。

ランゲの「小さなさすらい人」は、そのような印象は受けません。

どちらかというと、楽しげで知らない土地への子どもらしい憧れのような雰囲気があります。

シューベルトの歌曲「さすらい人」、ピアノ曲「さすらい人幻想曲」、フリードリヒの絵画「雲海の上のさすらい人」など、「さすらい人」はロマン派芸術のモチーフになっています。

流離うとは、自分の心の中をさまようことなのかしら。

肩が触れそうなくらい近くにいるのに、とても生き生きと元気な演奏なのに、生徒さんの「小さなさすらい人」を聞きながら、そんな思いが浮かびました。

第18回ショパン国際ピアノコンクール

本当なら、昨年2020年に開催されるはずだった、第18回ショパン国際ピアノコンクールが今年2021年に開催されました。

新型コロナウイルスの感染状況からの開催延期でしたが、幸い状況は好転。

無事に開催されました。

レッスン終了後に視聴し、あとはアーカイブを早起きして視聴、そしてお掃除しながら・お料理しながら・レッスンの準備をしながら視聴し、夜更かししないようにしていたのですが、フィナルは我慢できずに、午前2時頃起き出して試聴しました。

寝不足でふらふらですが、世界中の若いピアニストたちのショパンを聞くことができて、幸せな毎日でした。

そして今朝、コンクールの結果が発表され、第2位に反田恭平さん第4位に小林愛実さんが入賞されました!

おめでとうござます!

コンクールでは、あまり通常のリサイタルや発表会では演奏されない曲を聞くことができました。

モーツアルト「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 作品2

フーガ イ短調(遺作)

ラルゴ 変ホ長調(遺作)

などです。

耳慣れた、名曲も素晴らしいのですが、こういった作品もとても味わい深く、心に響ました。

ショパン国際ピアノコンクール、この素晴らしいコンクールから多くの若いピアニストが羽ばたいていけますように。

グレゴリー・ソコロフ

今、私が一番心酔しているピアニストは、グレゴリー・ソコロフです。

ソコロフはロシア人ピアニスト。

来日したのはずっと昔、そして未来に来日する予定が全くない、日本在住者にとっては「幻(まぼろし)のピアニスト」と言っていいでしょう。

ありがたいことにソコロフの動画は豊富にあり、自由に聞くことができます。

昨年、無観客で収録された演奏にシューマンの作品99「色とりどりの小品」があります。

その、透明感のある音!

どうして、あんなに豊かな響きなのに透き通って聞こえるのでしょう?!

音楽も本当に自然で、森の木漏れ日や水面のきらめきそのものです。

こんなに穏やかで美しい音楽なのに、一つの時代の終末を予感させます。

かつて実際に存在したロマンティックな世界。

今では芸術作品の中でしか感じることができない、遠い時代です。

シューマンの死によって、ドイツロマン派は終わりを迎えることになる、ということをソコロフの演奏で私は知りました。

自分が天国に行く前に、一度は実演を聞いてみたいピアニストです。

コダーイ・システム

三大音楽教育といわれている、「リトミック」「コダーイ」「オルフ」。

「コダーイ」とはハンガリーの音楽家コダーイ・ゾルターン(ハンガリーでは日本と同じく姓が先に表記されます)が作った音楽教育システムです。

コダーイについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

日本コダーイ協会

コダーイ・コンセプト

コダーイという名前は、一般的にはあまり知られていませんが、日本の保育所・幼稚園(現在はこども園もありますね)では広く浸透している音楽教育です。

コダーイシステム、最大の特徴は民謡を歌うことにあります。

日本だと『わらべ歌』です。

「かごめかごめ」や「ずいずいずっころばし」

ほとんどの人が知っているわらべ歌でありあそび歌。

言葉の持つリズムや抑揚がそのまま歌になっているので、音痴になりようがありません。笑。

わらべ歌は、長い長い年月歌い継がれてきました。

そこには深い日本らしさが含まれています。

自然で温かみのあるわらべ歌の価値と教育的効果は大きく評価され、多くの保育所や幼稚園の先生たちが日々の活動に取り入れています。

コダーイシステムには他にも色々と特徴があるのですが、その中で私が学生時代の授業で体験し、一番興味をひかれたもの。

それは「サイレント・シンギング(内唱)」です。

例えば、か〜ごめ、かごめ〜♪を、最初の「か」と最後の「め」だけを発声し、あとは心の中で歌うのです。

「か〜○○、○○め〜♪」

心の中で、リズムも音程も正しく歌う。

これは、ソルフェージュ的にかなり効果があるものです。

いえ、そんなことよりも、音楽が自分の中にあるって素晴らしいことだと思うのです。

目には見えませんが、たくさんの歌で満たされたお子さんの内面は、確実に豊かになります。

残念ながら、わらべ歌が歌われる場面は保育施設や教育現場がほとんどになってしまいました。

ちょっと話はそれますが、子ども同士が外で遊ぶ機会がどんどん減っていく現代、保育施設や幼児教育の現場はより重要になっていくと思います。

個人のピアノ教室も、同じように教育の担い手として期待される部分が大きいのではないでしょうか。

オルフ・システム

三大音楽教育といわれている、「リトミック」「コダーイ」「オルフ」。

「オルフ」とはドイツの作曲家・教育者のカール・オルフが作った音楽教育のシステムです。

私は大学の授業で初めて知りました。

まず、初めに習ったのは「ハンドクラップ」いわゆる手拍子です。

2〜3のグループに合わせて、簡単だけれど違うリズムを手で叩くのです。

それを応用させて、手拍子だけでなく足踏みや机を叩く、更に打楽器へと発展させていきます。

強弱をつけたり、テンポを変えたり、音楽的な行為を体験できます。

オルフシステムでは子どもでも演奏できる独特な楽器もありました。

一音ずつバラバラにできる木琴や鉄琴です。

それを、メロディーになるように並べて、順番に弾いていきます。

「オスティナート」といわれる、短いメロディーを繰り返します。

拍子に合わせ弾いていくのですが、列を作って一人が終わったら、交代というように、自然とテンポに乗ることができるのです。

子どもでも芸術的音楽体験ができるのです。

そして最大の特徴はみんなで一つの音楽を作り上げることです。

アンサンブルは音楽の大きな喜び。

オルフシステムはそれを自然と体験できる教育法です。

三大音楽教育

三大音楽教育と呼ばれるのは、20世紀のヨーロッパで作られた3つの教育システムです。

それらは、

「リトミック」

「コダーイ」

「オルフ」

と言われています。

一番有名なのは「リトミック」でしょうか。

日本でも盛んに行われています。

三つ目の「オルフ」とは、カルミナ・ブラーナを作曲したカール・オルフが行った音楽教育です。

「オルフ」はあまり日本では広まっていないように思います。

私自身、大学の授業で習った程度なのですが、興味深いものでした。

つづく

三大○○

世界三大美女

「楊貴妃」

「クレオパトラ」

「小野小町」

世界三大料理。

「中華料理」

「フランス料理」

「トルコ料理」

日本三大庭園

「後楽園」

「兼六園」

「偕楽園」

世界・日本を問わず、三大〇〇というのはたくさんあります。

そして、大体3番目があやふやなことが多いです。

世界三大夜景

「香港」

「ナポリ」

「函館」

だったのが、今は世界新三大夜景ができました。

「香港」は不動の位置です。

「モナコ」

「長崎」

しかし、国際線のパイロットは東京の夜景が世界一だと言う方が多いそうです。

音楽にちなんだものにはドイツ三大Bというものがあります。

「バッハ」Bach

「ベートーベン」Beethoven

「ブラームス」Brahms

三大国際ピアノコンクールもありますね。

「ショパン国際ピアノコンクール」

「チャイコフスキー国際コンクール」のピアノ部門

3つ目は、やはりあやふやで、

「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」

または

「エリザベート王妃国際音楽コンクール」のピアノ部門

の、どちらかと言われています。

そして、音楽教育にも三大音楽教育なるものがあります。

つづく

精神とは

シューマンの子どもの情景、ホロヴィッツ最晩年のリサイタルを動画で見ることができます。

本当にありがたい世の中です。

精神性。

この言葉しか見つからない演奏です。

精神とは何でしょう?

①(物質・肉体に対して)心。意識。たましい。

②知性的・理性的な、能動的・目的意識的な心の働き。根気。気力。「向学の―」

③物事の根本的な意義。理念。「建学の―」

④個人を超えた集団的な一般的傾向。時代精神・民族精神など。

⑤多くの観念論的形而上学では、世界の根本原理とされているもの。例えばヘーゲルの絶対精神の類。

広辞苑によりますとこんな意味があります。

ホロヴィッツの古い録画からも感じることのできるそれは、

『静けさ』です。

静寂に漂う響。

歌ではなく響。

『静けさ』に満たされた精神の世界。

世界の根本原理が何なのか私にはわからないのですが、精神の世界、心の世界というものが実際に存在するのだということを、私たちに知らせてくれるような演奏です。

その大いなる『静けさ』がホロヴィッツの中に存在するのです。

苦難な時代を生き抜いた巨匠が辿り着いた世界です。

桜の花が満開です。

春も本番です。

ひらひら。

ひらひら。

優しい風に吹かれて、舞う桜の花びら。

手で掴もうとすると、ふわっと飛んでいってしまいます。

今、シューマンの子どもの情景を練習しています。

ドイツロマン派の曲を学ぶきっかけになった、私にとって大切な曲です。

小品ではありますが、当時から何て難しく奥深い曲だろうと苦戦していました。

シューマン独特のアラベスクのような内声が、左から右、右から左、下から上、上から下、様々な方向に動きます。

もちろん、メロディーは浮き上がらせなければいけません。

弾き分けることはできるのですが、なかなか浮遊感を出せず、音たちは手元でごにょごにょと鳴るばかり。涙。

春の空に漂う桜の花びらのように、音を自由自在に飛ばすことができたら・・・。

修行は続きます。