カテゴリー別アーカイブ: 音楽

拍子

先日、自分のためにオンラインレッスンを受けました。

・・・自分の音楽に激しく落ち込み中です・・・

「フレーズ途中の拍子の1拍目に絶対にアクセントを付けないように。」という基本中の基本を指摘されハッとしました。

全くの無意識だったのですが、あるフレーズの途中の音を下に感じていたのです。

そして思いました。

小さい生徒さんのレッスンの時に、リズムを叩かせたり、拍子に合わせてカスタネットを叩いたり・・・。

安易に取り入れ過ぎたことを猛反省しました。

機械的にリズムを叩いても、弊害しかないのではないでしょうか。

そこに音楽がないのなら、悪いクセを付けるだけ。

視奏

私が人よりも少しだけできるかな?と思う音楽的能力は初見演奏・視奏です。

音楽でいう初見演奏・視奏とは、楽譜を見てすぐに弾くことです。

楽譜を渡され、「これ弾いてみて。」と言われた時になどは大変役に立つ能力ですが、私自身はコンプレックスにも近い感情を持っています。

楽譜を見て弾くことに頼ってしまう結果、

・なかなか覚えられない。(見て弾くことがラク。頭を使ってないんですね。)

・練習しないでレッスンに行く。(最悪です。良い子は絶対にマネしないでね。)

・楽譜がないと何も弾けない。(楽譜がなければただの人。)

私にとっての初見演奏・視奏の能力にはこんな重大で深刻なマイナス面があります。

・・・初見演奏・視奏が得意でもすぐに覚えられたり、耳が大変良い人ももちろんいますので、あくまでも私の場合のマイナス面です。

そこから、練習方法を自分なりに変えました。

・譜読みの時に暗譜をする。(アナリーゼなどは楽譜を読むことに専念。)

・人前で弾けるように常に1〜3曲自分のレパートリーを持つ。

・即興演奏を学ぶ。(耳コピや伴奏付けアレンジも含む。)

この中で一番ハードルが高いのが即興演奏で、日々悪戦苦闘です。

これは私なりの考えなのですが、芸術行為というのは創造的な行為だと思うのです。

ゼロから何かを作り上げる。

本当に簡単な曲でいいから自分で作ってみる。

そうしたことが、作曲家や作品に少しでも近づくことのできる方法の一つだと思うのです。

記憶

ある高校生生徒さんとの会話です。

この生徒さんはとても記憶力が素晴らしいのです!

私「どうしたらそんなに覚えられるの?」

生徒さん「先生、覚えるだけではだめなんです。思い出すことが大切なんです。

私「!!!」

言われてみれば、自分の暗譜法は思い出すことの繰り返しです。

私は、譜読みと同時に暗譜をしてしまうのですが、悲しいかなごく平凡な記憶力しかありませんので、一日に覚えられるのはせいぜいワンフレーズ。

来る日も来る日も、前日までに覚えたフレーズを思い出しながら弾く。

の繰り返しです。

地道に続けてる英語の勉強。

なかなか覚えられない単語がある、もうトシだわ。涙。

と諦めかけていたのですが、英語に関してはあまり思い出すことをしていないことに気づきました。

私「すごい良いこと教えてくれてどうもありがとう!」

どちらが先生なんだか、まったく。笑。

そんなレッスン中の一コマでした。

Mao Fujita solo piano recital on DG stage

藤田真央さんのリサイタルを視聴しました。

DG(ドイツグラモフォン)が提供するデジタルリサイタルです。

昨年12月、ベルリンで収録されたもので、ツアー中の藤田さんの○イッターや○ンスタグラムの笑いあり感動ありの投稿が記憶に新しいです。

プログラムは

モーツァルト:ソナタK281

チャイコフスキー:op.5ロマンス、op.59ドゥムカ

アルカン:イソップの饗宴

ラヴェル:亡き女王のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルス

約一時間のリサイタルでしたが、曲間にご本人のトークもあり、しっかりと堪能しました。

まずピアノの縁に取り付けられた、いかにも精巧そうなマイクに目が行きました。

すごくクリアな音質で、クリア過ぎて基音がそのまま伝わってくるという、ピアニストにとっては恐ろしくごまかしのきかない録音だったと思われます。

そんな環境での藤田さんのモーツァルトの音たち。

美しく、愛らしく、繊細、そして丸いけれども力強さというか確固としたエネルギーを感じました。

叙情的なロマンス、ドゥムカの後で聞くアルカンのイソップの饗宴は今回もスリリングでした。

「アルカン。素晴らしい。」弾き終えた藤田さんの第一声には思わず笑ってしまいました。

その後、パヴァーヌとラ・ヴァルスの紹介。

いつもと同じにこにことやわらかな口調で「ラ・ヴァルスのカタストロフィーをお楽しみください。」確かこんなことを話されました。

カタストロフィー!

この状況下でこの言葉を言う?笑

その通り、この曲は優雅なワルツからだんだんと変容して、最後は破滅的な音楽で終わります。

ロックダウンが続くヨーロッパのスタジオで鳴り響いたラ・ヴァルス。

天使的だけでない藤田真央というピアニストの深みと凄みを感じました。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2021

新春恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサート、今年の指揮者はイタリア人指揮者リッカルド・ムーティ。

オペラの公演で数々の名舞台を指揮してきたマエストロです。

どんな演奏になるのでしょう。

わくわく。

今回は残念ながら無観客での開催となりました。

毎年、正装の観客たちをステージ上?横?にもぎっしりと座らせてのコンサートは豪華そのものです。

きらびやかな会場にはこれまたぎっしりとお花が飾られていて、そのお花を見るのも毎年の楽しみです。

テレビで見るだけでもセレブ気分を味わえます。

今年はオレンジ・赤系のお花が飾られていました。

ウィーンフィルの公式ツイッターからお借りしました

華やかだけれど力強さも感じるお花いっぱいのステージにうっとり。

ウィンナワルツは独特の3拍子です。

2拍目が早めに入り、その2泊目で私は浮き上がるような感覚を覚えます。

ムーティの指揮はとてもドラマティックでこんな音楽で踊ることができたらとても素敵だろうなと思いました。

途中、バレエもあったのですが残念ながら見逃してしまいまいしたので、録画でじっくりと楽しみたいと思います。

気質

人間には持って生まれた性質=気質というものがあるそうです。

今日はハードディスクにたまりに溜まったテレビ録画を整理しました。

録画したものの、全て見る時間はありません。

その中から選んだ、反田恭平さん、小林愛実さん、藤田真央さんが出演した『題名のない音楽会』。

これは外せません!

そして、この番組を見て感じたことです。

反田さんと藤田さんがラフマニノフ2台のピアノのための組曲を演奏しました。

お二人の気質の違いが、実にハッキリと感じることができました。

反田さんの自我の強い演奏、藤田さんの風のように軽やかな演奏。

決して真似することができない、その人だけの気質というものが存在するのだということを認識しました。

・・・もしかして、作曲家の気質を感じることは、作品をより理解できる鍵になるかもしれません。

村上春樹『謝肉祭』

村上春樹の最新短編集『一人称単数』の中に『謝肉祭』という一編があります。

謝肉祭の文字を目にし、真っ先に読んでしまいました。笑。

シューマンのピアノ曲 ”謝肉祭” が登場。

主人公の女性がシューマンの謝肉祭を「無人島にたった一つ持って行く曲」に選びます。

その女性が語る謝肉祭という音楽についてが実に鋭いのです。

(ネタバレは控えます。)

シューマンはピアノの恩師の娘クララと恋愛関係になるのですが、その恩師でもあるクララの父親は結婚に大反対。

二人を別れさせるために様々な妨害を実行します。

しかし、シューマンとクララは父親の反対を乗り越えて結婚し、数々の名曲が生まれるのです。

私はある時から、クララの父親がどうして結婚に反対したのか、ぼんやりと理解するようになりました。

シューマンの音楽はあまりにロマンティックであり自分に正直すぎます。

シューマンが病んでしまう繊細で複雑な精神をクララの父親は敏感に察していたのではないのでしょうか。

私が初めに聞いたシューマンの謝肉祭はルービンシュタインの演奏でした。

まさにカーニバルといった鮮やかな演奏なのですが、なぜかお祭りからちょっと離れた裏通りのような暗さも感じます。

シューマンは人間の精神の深さをまざまざと感じることができる作曲家です。

文藝春秋社さんからお借りしました

音楽の聞き方5

○witterの登場で、コンサートの感想がすぐに読めるようになりました。

情報が簡単に得られるからこそ、自分の中を真っ白にして音楽を聞きます。

自分の中に何が起こるのか、静かに待ちます。

これが、私が実際に音楽を聞くときの状態です。

吉田秀和先生も、村上春樹氏も、本棚にしまっておきましょう。

幼稚な感想しか湧かないかもしれないのですが、音楽は許してくれます。

音楽の聞き方4

音楽の好みというのは、誰でもあるものだと思います。

私も、好きと嫌いがはっきりしています。

お気に入りの奏者、曲、または楽器やジャンル・・・、そればかりを聞いていると、自然と範囲は限られてしまいます。

時々、私は誰かの好み、今でいう ”推し” に乗っかってみることがあります。

そのようにして最近聞いてみたのが、ボーカロイドのIAです。

私には理解不能なのですが、それでもコンピュータが繰り出す独特のグルーブ感が刺激的に感じました。

IAは極端な例ですが、ピアノ仲間の好きなピアニストの演奏を聞いてみると、たくさん収穫があります。

素晴らしかった!だけれど、私の好みとはちょっと違う…ということがほとんどなのですが、自分が求めている音楽を知るきっかけになるのです。

友人が好きなルガンスキー。

迫力あるテクニックがすごすぎます。

完成された演奏に、プロフェッショナルな演奏家はここまで音楽を作らないといけないことをあらためて感じました。

自分の先入感を無くすためにも、たまには誰かに手をひいてもらって、知らない場所に行くのもいいものです。

音楽の聞き方3

私は村上春樹の作品が好きで、ほぼ全て読んでいます。

村上春樹はクラシック音楽に造詣が深く、小説の中にたくさん名曲が登場します。

『海辺のカフカ』に、若いトラック運転手があるクラシック音楽を聴き、人生の転機を迎えるという場面があります。

確かその曲は、大公トリオだったと思います。

演奏は百万ドルトリオと呼ばれた、ヴァイオリン=ハイフェッツ、チェロ=ファイアマン、ピアノ=ルービンシュタインです。

敬愛するルービンシュタインが出てきて大興奮。

早速大公トリオを聞いてみたものです。

読書をきっかけに音楽を聞く。

楽しい音楽の聞き方の一つです。