聞くことに重点を置いたピアノの導入期指導ですが、大きな落とし穴もあります。
それは、耳に頼りきってしまうことです。
弾けた曲の楽譜を読む。
これを必ず!絶対に!省いてはいけません。
そうしないと、いつまでたっても楽譜を読めるようにはならないでしょう。
初歩的な曲でしたら耳で聞いて覚えて弾くことができますが、いずれ限界は訪れます。
楽譜が読めることは、字が読めること同じです。
音楽の世界がずっとずっと広がります。
楽譜を読むだけで頭の中で音楽を楽しむことだってできるのです。
聞くことに重点を置いたピアノの導入期指導ですが、大きな落とし穴もあります。
それは、耳に頼りきってしまうことです。
弾けた曲の楽譜を読む。
これを必ず!絶対に!省いてはいけません。
そうしないと、いつまでたっても楽譜を読めるようにはならないでしょう。
初歩的な曲でしたら耳で聞いて覚えて弾くことができますが、いずれ限界は訪れます。
楽譜が読めることは、字が読めること同じです。
音楽の世界がずっとずっと広がります。
楽譜を読むだけで頭の中で音楽を楽しむことだってできるのです。
ト音記号といえば音楽の象徴、楽譜の象徴でもあります。
そのト音記号の書き方、日本ではこう教えます。

ぐるぐると渦巻きを書くのが楽しいです。
それが『不思議な音の国』ではこうなっています。

縦の線を先に書いてしまうのですね!
この教材はアメリカで出版されたものを翻訳したものですから、アメリカではこう教えるのでしょう。
昔ながらの平ペン(インクにつけて使うペンのこと)だときっとこちらの方が書きやすいと思われます。
基礎的なことがらでも、まだまだ自分の知らないことはたくさんありそうです。
絶対音感
すごい言葉ですね。
音感が絶対なんです。
絶対王者とか絶対王政みたいな他者を圧倒するような語感があります。
絶対音感とは聞いた音を音名でいい当てる能力のことです。
高度な絶対音感の持ち主は神様から選ばれし一握りの人間。
透視能力並みの特殊能力のように語られることもあります。
私が初めて「この人は絶対音感の持ち主だ!」と確信したのは、ボサノバ歌手の小野リサさんです。
自分でも意外でした。
水戸の千波湖で小野リサさんの野外コンサートを聞いたときのことでした。
柔らかいギターの調べにのってささやくように歌う小野リサさの歌声を聞いたときに、
絶対音感
という言葉が頭に浮かんだのです。
音は空気を振動して伝わるのですが、ギターと歌の振動がピッタリと合っていたのです。
小野リサさんに抱えられたギターと歌声が柔らかいハーモニーを生み出していました。
絶対音感は決して特別なものではなく、こんなにも自然なものなのだと知りました。
聴音・新曲視唱など音感を養うための専門的なトレーニングはいくつかあります。
ピアノの音をポン♪と弾き音名を答えるのも、ゲーム感覚で楽しいものです。
音あても悪くありませんが、せっかくだから音楽的なレッスンがしたいです。
音と仲良くし楽しむこと、具体的には歌をうたうことでしょうか、音感を良くするにはこれが1番の方法だと思っています。
正確な音程で歌って心地よさを体験することはとても大切です。
ショパンの練習曲作品25−4です。
入りからしてアウフタクト。
弾く前にもう自分の中で音楽を始めておきます。
イ短調の暗いけれどどこか明解な感じ、だけれどもシンコペーションの不安定さと性急さが音楽を駆りたてます。
右手は最初から最後までシンコペーション。
楽節の終わりにもリタルダンドなど一切無し。
31小節目にpoco riten.、62小節目にrall. があるだけです。
同じリズムが続きますが転調するたびに表情は変わります。
左手はずっと8分音符なのですが、バスは表拍、和音は右手のシンコペーションに合わせる裏拍、と違いを意識します。
この曲は上級者レベルですが、挑戦する価値はあると思います。
私は音楽的能力がごく平均値の人間で、練習無くしてリズム感も向上することはありません。
シンコペーションが特徴的な曲を弾くことでリズム感が養われ、ゆったりした曲を弾くときにも自然な流れを作り出す助けにしています。
ところで、画像の楽譜はパデレフスキ版のものなのですが、紙質がザラザラしていて黄ばみも目立ちます。
当時のポーランドの経済状況が伺えます。
バッハのインベンション6番です。
対位法の曲ですのでシンコペーションのモチーフが右手・左手とかわるがわる出てきます。
このシンコペーションは弾むようなものではなく、表拍と表拍の隙間を裏拍が埋めていくようなイメージで私は弾きます。
4小節目の刺繍音がモチーフを軽やかにリズミカルに締めくくります。
なめらかに弾くのも良し、ところどころノンレガートにしても良し。
バッハの時代にもこんなに洒落たリズムがあったのですね。
というよりも、現代曲よりももっともっと独創的です。
ツェルニー30番練習曲の24番です。
右手が8分音符のシンコペーションになっています。
全てが裏。
私は左手を先行させ(拍の頭にきちんと乗せます)右手が後からついていくように弾きます。
そうするとレガートに弾くことができます。
途中から同じメロディーがスタッカートで出てきます。
ここでは16分音符を基準にリズムを取り左右交互に打つようなイメージで弾きます。
この練習曲はリズム感を養うにはもってこいの教材です。
前半は両手同じ音なのですが、和音を感じながら弾くと音楽的になります。
練習曲ですがとても楽しい曲なのです。
あるクラシックバレエのセミナーを見学したときのことです。
そのセミナーの講師はヨーロッパのバレエ学校で教える一流指導者でした。
眠りの森の美女のオーロラ姫のバリエーションだったのですが、
その先生が
” Dance on back beats.”
「裏(拍)で踊りなさい」と言ったのです。
バレエでは拍の頭にアクセントをつけるステップと、拍の頭では待つあるいは力を抜くステップがあることは、私が通う趣味バレエの教室でも教えられます。
なるほど、あちらのダンサーたちの優雅だけれどリズミカルな踊りはここからくるのね!
裏で踊れ。
そう、ピアノにもこう置きかえたいです。
裏で歌え。
クラシックの曲には、形式・楽式なるものがあります。
一部形式、二部形式。三部形式・・・
はあ・・・、
専門家以外の人には何が何だか?だと思います。
形式を厳格に分析しなくても、区切りとなるようなところを見つけるだけでも、曲の概要を理解できます。
私は、気がついた区切りのところに、とりあえず括弧を記入してしまいます。
ああ、こことここは同じ感じだな、と気づくと練習も楽になりますし、暗譜も容易になります。
・・・でも、私は専門家のはしくれです。
アナリーゼについても、きちんと指導ができるように学び続けていきたいと思います。
本格的に取り組むと専門的な知識が必要なアナリーゼ。
私が一番最初に指導するアナリーゼは下の3つです。
♪ とおんきごうかな?へおんきごうかな?
♪ 2びょうし・3びょうし・4びょうしのどれかな?
♪ しょうせつはぜんぶでいくつあるかな?
は?
こんなこと当たり前じゃない。
そうなんです!
アナリーゼというととても難しく感じると思うのですが、これも立派な『分析』なのです。
特に、3つ目は曲の全体を把握するのに効果的です。
ご自分が練習している曲を思い出してください。
楽譜に書かれている音部記号、拍子記号を覚えていますか?
その曲は全部で何小節ありますか?
一つの曲の中には驚くほどたくさんの発見があるはずです。
まずは、一番わかりやすい「発見」を探してみてはいかがでしょうか。
『アナリーゼの技法 実践のために』を購入しました。
アナリーゼ・Analyzeは音楽の世界では楽曲分析を意味します。
この本の著者鵜﨑庚一先生は私の恩師のお一人です。
大学生の時、ソルフェージュの授業を担当して下さったのが鵜崎先生でした。
一流の作曲家の先生にソルフェージュを教えて頂いたことは、大変な幸運でした。
私が大学生だった当時はバブル経済の最盛期で、男性のファッションは逆三角形のソフトなスーツが大流行。
そんな時代、たぶん仕立てられたものなのでしょう、鵜﨑先生はいつもお身体に合った三揃えの背広をきちんと着ていらっしゃいました。
そのダンディーなお姿でピアノを弾かれる先生に私たちはいつも見とれていてたものです。
特に、私の友人Aちゃんは先生を崇拝していました。
〜というか、その友人Aちゃんは大変な美声の持ち主で、先生のお気に入り。クラスメートもそのことを知っていて、ひがむこともなく認めていました。〜
ある日の授業中、私の隣に座ったAちゃんが日本歌曲集を持ち出して言いました。
Aちゃん「見て見て!この曲鵜﨑先生が作曲されたの。良い曲ねえ。」
私「ほんと!優しい良いメロディー」
授業とは関係のないおしゃべりを小声でしていた私たちの方へ、つかつかと鵜﨑先生が来られました。
Aちゃん・私「・・・(怒られる〜)・・・」
Aちゃんの日本歌曲集を取り上げ、無言で私たちを見つめる先生。
Aちゃんは泣きそうです。
おもむろに、先生は背広の内ポケットからペンを取り出すと、サラサラとAちゃんの楽譜にサインを書くではありませんか!
『Aさんへ。鵜崎庚一』
楽譜をAちゃんに渡すと先生は何事もなかったように授業に戻られました。
この先生のおおらかさ!
私は心から先生を尊敬しました。
授業内容も、音楽の真髄に触れるものばかりで、今でも私の音楽を内側から支え続けてくれています。
私のどうでも良い思い出話を書いてしまいました。
この『アナリーゼの技法』という本、細部に留意しながらも大局を決して見失わない、先生そのもののご著書と思いました。
アナリーゼに行き詰まった時、大切なバイブルにさせていただこうと思います。