日別アーカイブ: 2018年4月4日

楽器について2

グランドピアノを持つだけで上手になる。

つまり、グランドピアノでなければ、大曲を「弾くことはできない」。

いつの間にか、そんな考えが確立してしまいました。

この考え方は、私を縛りつけました。

指導者になって、しっかりした強い音が出ない生徒さんや、

どうしても優しい音色が出せない生徒さんに対して、

「この子のおうちは電子ピアノだから」という思いが心に出てきてしまうのです。

グランドピアノ、

ううん、

せめてアップライトピアノを持っていれば、

この子はもっと上手になるのに。

でも、生徒さんのご家庭の事情は様々です。

私にできることって何だろう?

長い間、自問自答を繰り返してきました。

ある時、生徒さんにすすめられて、

ピアニストの反田恭平さんのドキュメンタリーを見ていると、

反田さんが自室の電子ピアノで練習しているシーンが映し出されました。

たぶん6畳間くらいのお部屋でしょうか。

古い電子ピアノを弾きながら、

「これがなかったら、夜は練習ができなかった。大切な楽器。」

というようなことを反田さんが言いました。

反田さんは、他のお部屋にグランドピアノを持っていたようです。

でも、防音設備は無かったようですので、

きっと夜間は電子ピアノで練習していたのでしょう。

私は、アップライトピアノで練習していた頃のことを思い出しました。

自分のアップライトピアノで、来る日も、来る日も、

ツェルニーやバッハやソナタを練習する毎日。

グランドピアノでなければできないことがある、

というのは事実ではあるけれど、

持ってないから、とか、

電子ピアノだから、とか、

理由をつけて諦めてしまっては、本当にそこで終わってしまう。

与えられた条件の中で、努力することが何より大切なんだ。

ようやく、そんなあたりまえのことを理解することができました。

今では、どんな生徒さんに対しても、

きれいな音色を指導することに、一切妥協はいたしません。

おうちの楽器が、たとえキーボードであったとしても、丁寧に弾いてもらいたい。

音楽を楽しんで、愛してもらいたいです。

【つくば市 ピアノ教室 スピカ】