カテゴリー別アーカイブ: 音楽

音楽の聞き方2

音楽の聞き方というのは、実は様々な行為があることに気づきました。

例えば、私は大学生の頃、音楽評論家の吉田秀和先生の本を読み漁っていました。

先生の本に出てくる、演奏家や曲を聞いてみる。

自分が好きなピアニストについて、先生がどんな意見なのかページをめくる。

知識も経験も無い自分にとって、吉田秀和先生の本は音楽の世界を旅する地図でありガイドであり、大きな憧れでありました。

何より、わかりやすくてユーモア溢れる先生の文章を読むのが楽しくてしかたがありませんでした。

自分の世界が押し広げられ、それまで理解ができなかった音楽の魅力に気づくことができました。

音楽を聞くとは、そこだけで完結することのない深い行為なのですね。

マーチングバンド

午前中、歩きで郵便局へ行く途中、ぷおー♪とラッパの音が聞こえてきました。

何だろう?

どうやら、小学校から聞こえてくるようです。

通り道なのでのぞいて見ると、マーチングバンドがチューニングを行っていました。

真っ白なズボンの制服で楽器は全てシルバー。

なんて格好がいいのでしょう!

しばし足を止めて見学させてもらいました。

どうやら、校庭でコンサートが行われるようです。

一年生のかわいいお声で紹介がありました。

「これから大洗高校のマーチングバンドのコンサートをはじめます。」

おお!

高校のマーチングバンドなのですね。

確か、昨年のいばらき国体の開会式でも演奏していました。

一糸乱れぬ行進と演奏。

ワクワクします!!!

ミッキーマウスマーチやご当地ソング水戸黄門のテーマ曲♪

他にも曲名はわかりませんが本格的なブラスバンド曲がたくさん演奏されました。

小学校の生徒さんたちも颯爽とした行進と迫力ある音に釘ずけになっているようです。

屋外でこんなに楽しいコンサートを聴けるなんて、素晴らしい行事ですね。

3蜜も気になりません。

きっと良い思い出になったと思います。

帰宅するとサントリーホールからメールがきていました。

11月に予定されていた演奏会のため、ウィーンフィルの来日が決定したという案内です。

私は聞きに行くわけではないのですが、それでも関係者の方の努力と情熱に感動です。

そして、同時に思います。

ウィーンフィルのコンサートはもちろん素晴らしいのですが、こんなに身近に体感できる大洗高校マーチングバンド部の演奏も同じように価値があるものです。

音楽の持つ自由と平等さをあらためて実感する一日でした。

HPよりお借りしました

ロン・ドゥ・ジャンプ

バレエの動きに、ロン・ドゥ・ジャンプという動きがあります。

片足を軸にし、もう片方の足のつま先で、床に半円を描きます。

コンパスで半円を描くようなイメージです。

そのコンパスの先は極細のボールペンだと思って、細く繊細な線を描くのが良い動きです。

つま先の動きは『レガート』で。

大変優雅な動きです。

このバレエのロン・ドゥ・ジャンプのなめらかなレガートを、ピアノでも表現したいものです。

のだめカンタービレ

懐かしいドラマが再放送されています。

『のだめカンタービレ』

指揮者志望の千秋、秘めた才能を持つピアノ科のだめ、他超個性的な学生たちが音楽大学を舞台にドラマを展開していきます。

コミカルな作品ですが、実は深い内容を含んでいます。

このドラマの後、映画も公開されました。

映画の舞台は千秋とのだめが留学生活を送るパリ。

千秋とのだめは恋愛関係になっていく一方で、音楽家同士としての苦悩が二人を待っています。

お互いを認め合いつつも、嫉妬と焦りに駆られる自分に苦しみます。

ただ楽しいだけでピアノを弾いてきたのだめですが、芸術の域に足を踏み入れることになり、自分を見失いもがく姿に、見ているこちらも苦しくなりました。

のだめの苦しみを感じつつも千秋は自分の指揮に専念していきます。

そんなパリでの二人ですが、すれ違いながらも互いを結びつけるものはやはり音楽でした。

・・・

映画はそこで終わりましたが、その後のこの二人はどうなったのでしょうか?

のだめと千秋がそれぞれの音楽を追求する生き方が、寄り添い続けるものなのか?

音楽や芸術の世界はあまりに深く、そして広く、のだめカンタービレのような楽しいドラマを見ていても、孤独を感じずにはいられません。

英雄ポロネーズ2

英雄ポロネーズを私は一つの指標にしています。

この曲を弾けるようになった生徒さんは、クラシックのピアノ曲のほとんどを弾くことができるようになっていると考えています。

技術的にも音楽的にも大変難しい曲ですが、高校生の生徒さんには是非チャレンジしてもらいたい曲です。

自分には無理。

と思わずにチャレンジしてみて下さい。

確実にレベルアップができます。

英雄ポロネーズ

ショパンのポロネーズ作品53・通称英雄ポロネーズ。

大変人気のある曲です。

私も大好きでした。

でも、ある時から英雄ポロネーズを弾いたり聞いたりすると、その音楽の中に少しだけ暴力の気配を感じてしまい、最近は避けていました。

そんな英雄ポロネーズを、昨日あるコンサートで聞きました。

初めは冷めた気分で聞いていたのですが、だんだんと惹きこまれてしまい、最後にはピアニストの大熱演に心を掴まれていました。

感動しました。

音楽の持つ力をあらためて感じました。

高度なテクニックを要する英雄ポロネーズですが、それだけでは音楽になりません。

内面から溢れ出るパッション・情熱。

人間の力を出させることのできる最高の曲です。

自分らしさ

もう何年も前のことになりますが、アメリカのフィラデルフィア美術館を訪れたことがあります。

ギリシャ神殿を模した巨大なフィラデルフィア美術館には、デュシャンの作品はじめ、充実したコレクションがありました。

シーズンオフの平日だったこともあり来館者は私たちのみで、ゆっくりと見て回ることができました。

奥まったコーナーに、日本の茶室を移築したものと茶器類が展示されていました。

何もかにもが巨大なアメリカで、その日本文化の展示室には静けさと繊細さがそっと存在していました。

ああ、日本には日本の良さがあるのだな、と心から実感できた瞬間でした。

その静かな佇まいは、日本人だけが理解できるものではない普遍的なものが含まれていると思います。

それは海外からの旅行者の多くが日本に求めているものではないのでしょうか。

西洋人のようには歌えない日本人ですが、きっとピアノの演奏にも日本人にしかできない演奏というものがあるはずです。

日本人らしく、あるいは自分らしくいることは大変難しいことですが、芸術で何かを表現するにはそれしか方法が無いように思います。

ららら〜♪

NHKのドキュメンタリー番組「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」の中で、校長先生が日本人の血をひくアランに言います。

もっと柔らかく。

日本の歌のズン!

ではなく、

ラララ〜♪と歌うように踊りなさい。

アランは戸惑いながら言います。

正直日本の歌なんて知らないんだ・・・。

アランはお父さんがイギリス人お母さんが日本人。

育ったのはイギリスだそうです。

ヨーロッパで育って日本の歌を知らないアランの踊りを、校長先生は日本的で硬いと見抜きます。

どうして、ラララ〜♪と日本人は歌えないのでしょう?

ピアノでも、自分も含め日本人は本当に歌えないと痛感します。

文化の差?

民族の違い?

その大きな違いには、戸惑い絶望してしまうことも度々です。

バレエの王子になる!

NHKのドキュメンタリー番組「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」を見ました。

舞台はロシア・サンクトペテルブルグにあるバレエ学校・ワガノワアカデミーです。

ワガノワアカデミーは世界最高峰のバレエ学校。

「痩身で美しい生徒しかこの学校には残れません。」と教師からの厳しい言葉。

バレエは音楽以上に持って生まれた才能が必要です。

更に才能を開かせ磨き続ける努力。

校長も、

「努力!努力!努力!」

「才能は降って下りてこない。バレエの世界に奇跡はない。絶対に無い。」

と叫びます。

もう、瞬きできないくらい番組に釘付けになってしまいました。

全くレベルが違うとはいえ、私も教師のはしくれ、校長の指導の様子や言葉が心に残っています。

成績ナンバーワンで、校長の秘蔵っ子のような存在であるミーシャ、名実ともにミーシャに次ぐナンバー2の成績を収めているマルコ、お母さんが日本人のアロン、そして優等生ではないものの、抜群の容姿を持っているキリル。

いろいろな生徒がいます。

「教師には生徒が必要だ。」

本当にそうです。

生徒あってこその教師なのです。

絶対に切り離すことのできない生徒と教師の関係。

運命的なものすら感じます。

教師という生き方の奥深さを感じる番組でした。

今朝の題名の無い音楽会はランランさんの演奏でした。

ランランさんのゴルドベルク変奏曲を聞くことができました。

粒の揃った美しい音、細部にまで神経の行き届いたメロディーたち、深遠なる世界も見せてくれました。

番組を見ながら、何故か私が思い出したのは、2015年のチャイコフスキー国際コンクール第3位のセルゲイ・レーディキンさんのバッハのトッカータです。

こちらで聞くことができます。

ドミトリー・マスレーエフ、ジョージ・リーなどの、超絶テクニックを披露するコンテスタントがずらりと並ぶ中で、レーディキンさんはどちらかというと地味目の出場者でしたが、私はレーディキンさんの真面目なバッハに魅了されてしまいました。

優等生的ではあるけれども純粋さが際立つ演奏でした。

ランランさんの方がずっとピアニストとして有名なのですが、半分青い(失礼!)レーディキンさんのバッハが何故か好きなのです。