『アナリーゼの技法 実践のために』を購入しました。
アナリーゼ・Analyzeは音楽の世界では楽曲分析を意味します。
この本の著者鵜﨑庚一先生は私の恩師のお一人です。
大学生の時、ソルフェージュの授業を担当して下さったのが鵜崎先生でした。
一流の作曲家の先生にソルフェージュを教えて頂いたことは、大変な幸運でした。
私が大学生だった当時はバブル経済の最盛期で、男性のファッションは逆三角形のソフトなスーツが大流行。
そんな時代、たぶん仕立てられたものなのでしょう、鵜﨑先生はいつもお身体に合った三揃えの背広をきちんと着ていらっしゃいました。
そのダンディーなお姿でピアノを弾かれる先生に私たちはいつも見とれていてたものです。
特に、私の友人Aちゃんは先生を崇拝していました。
〜というか、その友人Aちゃんは大変な美声の持ち主で、先生のお気に入り。クラスメートもそのことを知っていて、ひがむこともなく認めていました。〜
ある日の授業中、私の隣に座ったAちゃんが日本歌曲集を持ち出して言いました。
Aちゃん「見て見て!この曲鵜﨑先生が作曲されたの。良い曲ねえ。」
私「ほんと!優しい良いメロディー」
授業とは関係のないおしゃべりを小声でしていた私たちの方へ、つかつかと鵜﨑先生が来られました。
Aちゃん・私「・・・(怒られる〜)・・・」
Aちゃんの日本歌曲集を取り上げ、無言で私たちを見つめる先生。
Aちゃんは泣きそうです。
おもむろに、先生は背広の内ポケットからペンを取り出すと、サラサラとAちゃんの楽譜にサインを書くではありませんか!
『Aさんへ。鵜崎庚一』
楽譜をAちゃんに渡すと先生は何事もなかったように授業に戻られました。
この先生のおおらかさ!
私は心から先生を尊敬しました。
授業内容も、音楽の真髄に触れるものばかりで、今でも私の音楽を内側から支え続けてくれています。
私のどうでも良い思い出話を書いてしまいました。
この『アナリーゼの技法』という本、細部に留意しながらも大局を決して見失わない、先生そのもののご著書と思いました。
アナリーゼに行き詰まった時、大切なバイブルにさせていただこうと思います。